ザブトンとパイ

 と聞いて何のことだかわかる方は国民の5%くらいだと思います。これは中学の社会の進め方のたとえとして使われる言葉で、ザブトン型とは1年で歴史(または地理)を学習し、2年でその逆というように学年で教科を分ける方式。一方パイ型とは1年の中で地理と歴史を一定期間で区切って交互に学習する方式です。パイとは食べ物ではなく円周率のパイ(π)です。

 どちらで進めるかは強制されているわけではありませんが、ある調査によると圧倒的にパイ型の方が多いようです。特に最近は歴史の学習内容が増えており時間数も地理の1.5倍くらいかかるため、地理は1~2年で終わらせ、歴史は1年から3年の1学期までという学校が多いようです。実際にはもっと細かく定期テストごとに入れ替えたり、学期ごとに入れ替えたりと実に様々、学校によってバラバラです。

 昔の理科も同じような感じでした。いまは理科は学年ごとに教科書が作られていますが15年くらい前までは、1分野・2分野というふうに分かれていました。

 このように学校によって進度がそろっていないので、理科や社会を学習する集団指導塾は少ないと思われます。普通の塾にはクラスのなかに複数の学校の生徒が在籍することが多く、生徒によって習っている単元がちがうことになります。ある生徒にとってはとっくの昔に習った内容、ある生徒にとってはまだまだ半年くらい先に習う内容、となると塾でそろえるのは難しいので1年や2年では社会や理科を履修する塾はかなり少なめです。その点うちの塾は全員が戸塚中の生徒なので、ものすごく効率よく学習できます。1年生のうちから理科にも社会にも時間をかけて学習できます。塾生の理科社会の平均が異常に高いこと、入試でも高得点が取れていることは、学校を限定しているからにほかなりません。

 さて、ここ数年の戸塚中は1年生の前半で地理をはじめ、そのままずっと地理を続けオセアニアまで終わったところ(要は中1の内容全部)で、歴史に移行するというザブトン型に近い進度でした。2年生もまず地理を終わらせてから歴史に移っていました。

 が、今年の中1は地理からスタートしたものの、ほんの少し進んだだけで急に歴史に変更です。よって今回の期末テストは地理と歴史が半々ずつという範囲になりました。この後歴史がずっと続くのか、はたまた地理に戻るのか神のみぞ知るというところですが、どちらになろうと塾では柔軟に対応できるのでご安心ください。

 ちなみに中2は従来通りこの時期は地理が進んでいます。中3は地理は終了し、歴史となっていますがちょっと進度が遅めで、2学期の中間テストまで歴史が出ることになりそうです。塾ではかなりの時間をさいているので、塾生にとっては特に問題ありません。

高校受験案内

 今年も当塾の中学3年生全員に塾からプレゼントしました。

 高校受験案内は何種類かあると思いますが、埼玉県の受験生にとってはいちばん内容が充実していると思われるものです。書店にもこれと同じものが販売されていると思います。表紙はもっとカラフルですが中身は同じです。受験案内どれを買ったらいいか分からないという方や、そもそも受験案内を手にしないという人もいるので塾では毎年全員分注文してプレゼントしています。550ページくらいあります。

 

 合格基準はもちろん進学先や校則や部活や学校行事など一通りのことは書いてあります。どこの誰が発言しているか分からないネットの掲示板よりは参考になるでしょう。あとは実際に説明会や見学に行って北辰などを参考に決めていくことになると思います。

 一つ注意点を伝えました。この手の資料にはよく偏差値が書いてありますが、偏差値というのは絶対的な数値ではありません。大事なことは必ずどの模試での偏差値なのかを確認することです。埼玉県の受験生にとって一番信頼できる偏差値は北辰テストです。よって、この本と北辰テストの数値の違いを少々説明しました。偏差値ついでに話しておくと、ネットの偏差値は参考になりません。どの模試なのかを書いてあるのが皆無でその時点で信用できないのです。

 受験案内を渡した後、休み時間にはほとんどの塾生が食い入るように読んでいました。これで少しでも受験に対する意識が高まってくれたら嬉しいです。

6月5日(木)はお休みです

 6月5日(木)は中3の授業日ですが、この日から戸塚中は奈良・京都へ修学旅行へでかけます。おそらく塾に来るのは難しいと思いますので今日の授業はお休みです。すでに塾生の皆さん経由で伝わっていると思いますが、お休みの連絡はなくて大丈夫です。

 ちなみに塾を開けても授業がないので、終日休業といたします。お問い合わせ等は6月6日(金)以降にお願いします。

 中学の修学旅行は一生の思い出になると思いますので、しっかりと楽しんできて欲しいと思います。ここまで伝達事項です。以下は落書き程度の文章なのでスルー歓迎です。

 思い起こせば数十年前の6月3日~6日。私も山口・広島まで修学旅行に行きました。中学は魅力度ランキング47位の佐賀県にあります。3泊4日でした。移動しながらだったので宿はすべて違う場所となりました。

 たまに思い出さないと忘れてしまうので記憶のリハビリのために思い出します。なにしろ中学の写真とかアルバムとかいつの間にかすべてなくなり記憶だけが頼りです。以下記憶のリハビリです。修学旅行のたびに同じようなネタを書いていますが、それは気づかなかったことにします。

 初日はバスで中学(鹿島市)から山口まで移動。何日目かは忘れましたが山口では、萩焼の体験と鍾乳洞で有名な秋芳洞に行きました。当時は「しゅうほうどう」で記憶していましたが、調べたら「あきよしどう」が正式名称のようです。あとは松陰先生の松下村塾。

 広島に移動して原爆ドームに行って、フェリーで厳島神社と定番のコースです。1日か2日ちがいで、光GENJIだかSMAPが来ていたそうです。山口か広島か覚えていませんが、巨大なパラボラアンテナがあった工場にもかすかな記憶が。

 帰りは人生初の新幹線に乗りました。広島から博多まで新幹線で、そのあとの記憶がありません。博多からバスに乗ったのか、在来線に乗り換えて肥前鹿島まで電車で帰ったのか。在来線の席を400人分も確保するのは難しいし、鈍行は1時間に1本ですからおそらく博多からはバスだったと思います。

中3中間結果

 今日は木曜日で中3の授業日でした。早速中間テストの結果を書いてもらいます。前回月曜日に一部書いてもらいましたが、今日は残りの教科です。まだ個表はもらっていないようなので学年平均や順位は現時点で不明です。

 欠席がいたため全員揃っていませんが、平均点だけ見るとやはりというか社会が一番良かったようです。つづいて数学と国語です。いつも得点源にしている理科は今回難しかったようで塾の平均点は4番手となりました。まあ学校の平均と比べたらどうなのかは後日分かると思います。

 社会と数学と国語の塾内平均は70点超えで特に社会は80点に迫る勢いです。社会に関しては昨日の中2同様、ここ数年のうちの塾の強みが継承されているようです。数学は普段の小テストの成果が多少なりとも表れているようです。平均70点超えは立派な数字ですが、この学年は小学校のころや中1のころはお世辞にも数学が得意な学年ではありませんでした。むしろ苦手苦手で数学で困っている学年でした。長い間塾に通っているうちに少しずつ数学ができるようになった生徒が見られるという印象です。

 国語は普段塾で学習していないので、この平均はおそらく学校の平均も高かったからでしょう。国語については何度も何度も話していますが、定期テストの一番の対策は学校の授業をしっかり聞くことです。あとは学校で渡されたワークやプリントにしっかり取り組むことくらいで、社会や数学と違って塾で何とかできる部分が限られています。そう考えるとこの学年も3年生にして徐々に学習の習慣がついてきたように思われます。

 5教科総合では447点が塾内トップ。続いて441点でした。この学年は来週から修学旅行、それが終わったら学総とかなりハードな日々が続きます。そしてそれらが終わればすぐに期末でストです。どうしても優先順位が後回しになってしまいそうです。そのあたり塾でしっかりフォローしていきたいと思います。

シとツとミ

 今日は土曜日で正午過ぎから22時ごろまで10時間ほど塾生のテスト勉強につきあいました。テスト前の土日は毎回こんな感じで、なるべく多くの時間勉強してもらうことにしています。

 かといって塾生全員が入れるほど広くはないので、学年順に若い順に中1⇒中2⇒中3と入れ代わり立ち代わりです。なかには隣の部屋で最初から最後まで10時間くらい勉強している生徒もいました。

 テスト範囲の内容はほぼ終了しています。したがって範囲の最初からの復習が多くなりました。普段時間を取っていない国語については文法などの説明をしました。国語もテスト勉強用にテキストを取っています。中1・中2は塾生全員10冊以上テキストを渡しています。半分は通常の授業で使う分で、残りはテスト前に集中して取り組む分です。通常のテキストもテスト前に使えるので結構な量になります。またそれ以外にもテスト勉強用の教材を用意しています。中3は講習用や入試用を合わせると何冊になるか分からないほどです。とにかく塾生には数多くの問題を解いてもらいたいと思っています。

 さてテストが近づいてくると、私が説明する時間もだんだんと減っていき塾生が問題演習に取り組む時間が増えてきます。その間私はボケっとしているわけでもなく、塾生の書いた答えをチェックしていきます。答えの正誤は答え合わせの時や自分で丸付けする際に分かるでしょうから、私が主に見ているのは誤字の有無です。自分で気づかないから誤字になるわけですから、細かく見ています。正解しているつもりなのに不正解だったというのは避けたいところです。

 漢字のミスは特に社会に際立っています。まあ中学で習わない漢字もあるので仕方ないかもしれません。仕方なくないのはまさかのカタカナのミスです。タイトルにある「シ」が正しく書けない生徒が毎年必ずいます。今年もです。学年は関係ありません、中1でも中3でも見られます。

 カタカナのシやツを答えに書く機会が多いのはこれもまた社会です。今回の範囲だと中1の地理で「アジア」「ブラジル」「ロシア」など。中3は歴史ですが「ロシア」「ポーツマス」。どちらかというと「ツ」はまだまともですが、「シ」の点の位置が横に並んで「ツ」に見える生徒が毎年います。あと「シ」の三画目が短すぎて「ミ」に見える場合も。

ロツア ツンガポール ミミミッピ川 にしか見えません

 小学校であまり習っていなかったのか、習っていたのに気にしていなかったのか分かりませんが、さすがに中学高校でカタカナの練習などしないでしょうから、このまま放置していたら「シ」と「ツ」が書けない大人になってしまいます。おそらく今まで少々あやしくても正解になっていたのかもしれません。塾では不正解扱いにしています。うちの塾だけ特別に多いわけではないでしょう。おそらく他の塾でも、また塾に行っていない生徒でも推定ですが1割から2割くらいの中学生は正しく書けていないと思います。

 たまたまこれをご覧になった全国の小中学生の(ひょっとしたら高校生も)保護者の方や教育関係者の方がいらしたら、ぜひチェックしていただきたいと思います。

あと1週間

 今日で今年度最初の定期テストまであと1週間となりました。中2、中3についてはもう何度も受けているのでこちらからいろいろと言うことはありません。中1は初めてなのでいろいろと心構えやら、臨み方やら話をしていきます。

 テスト範囲は、中2・中3の数学がほんのわずか減ったことと、中3の理科の範囲が大きく削られたくらいでそれほど大きな変更はありませんでした。中3の理科に関しては最初に範囲を見た時からおそらく減るだろうなと思った通りになりました。

 塾の方も通常時間割を変更してテスト前特別時間割に移行します。今日はいつもどおりの中3で、明日から中1は五日連続で塾で勉強することになります。中2、中3も同じように塾に来る回数が増えます。

 一つ心配なのは、とある部活です。学校から渡される手紙にもテスト前は勉強するために部活が休みになるのだから一生懸命勉強しましょうといったメッセージが書いてあり、まさにその通りなのですが、とある部活だけはそんなメッセージは意味を成しません。

 来週の木曜日と金曜日が中間テストです。なのに、とある部活は来週の火曜日と水曜日が大会だというのです。大会に向けてテスト前も部活があり、テスト直前の二日間という一番大事な日には学校に行かないで大会に参加することになっています。部活の日程は早くに分かっていたはずです。おそらく競技場を借りるのに平日しか都合がつかなかったと推察しますが、だったら中間テストの日程ももう少し融通を効かせてもよかったのではと思います。前倒しが難しかったら翌週の月、火でもよかったのではないでしょうか。

 うちの塾には、このとある部活の生徒が中2、中3合わせて10人以上います。まじめな塾生が多いので疲れていてもおそらく塾は休まないで来ると思います。学校で授業が受けられない分塾でしっかりとフォローしたいと思います。ただ、塾に通っている生徒はまだこうやって対処の方法がありますが、塾に通っていない生徒の皆さんは結構大変なのではないかと心配になります。

5ラウンドシステムの成果?続編2

 さて、前回は熊谷と川口の学力テストの得点を県平均と比較してみました。その結果5ラウンドシステムの成果は現状得点にはあまり表れていない旨を書きました。それでも数値に表れない本当の英語力はついているという考えもあるかもしれませんが、それは客観的には知る由がありません。

 今年の4月から教科書が改訂されました。いろいろと調べた結果どうやら改定前は全国の自治体で地域内全校で5ラウンドシステムを実施している学校は埼玉県の熊谷市と川口市、それに広島県の福山市の3自治体だけのようでした。あとは一部の公立中と中高一貫の私立では独自に実施しているところもあるようです。同じ埼玉県の川越市など、今年度からさらにいくつか増えるという報道を見ています。該当地域の方はご存じでしょうが、よその人間にとってはなかなか把握が難しいものです。ただ光村の教科書を使っている自治体は全国にも結構あると思いますので、その地域ではどういった授業をされているのか関心があります。

 ということで遠く離れた福山市のことを調べてみましたが、こちらでもやはり問題意識を持っている方がいらっしゃったようです。教育問題に熱心なとある市議会議員の方です。同じように5ラウンドシステムに懐疑的になり、議会の中で教育委員会に質問を繰り返されたそうです。

 その結果、福山市では教育委員会と市内の学習塾で5ラウンドシステムについての意見交換会が開かれたとのこと。さらに、今年度から福山市では5ラウンドシステムを採用するかどうかは各教師の判断に委ねられるとのことです。教育委員会と学習塾の話し合いなど聞いたことがありません。それだけこの議員の方の熱心さが伝わった結果だと思います。翻って川口市にはそういう議員さんがいらっしゃるのでしょうか。学校の先生が教育委員会に意見するのは難しいと思いますので、こういう議員さんが川口市にもいらっしゃることに期待します。

 5ラウンドシステムが誰が見ても劇的な成果が見込めるのなら私も大賛成ですが、これを取り入れた地域では軒並み疑問の声が上がっているのが現状です。システム自体はいいと思うのですが、誰にでも通用するかどうかが疑問であるという点です。早い話が、最初から学力が高い生徒には効果が見込めるけど、大多数の生徒にとっては絵に描いた餅ではないかということです。

過去の関連記事 こちら と こちら

5ラウンドシステムの成果?続編1

 2年半以上前に書いた5ラウンドシステムの成果?という投稿があるのですが、いまだにこの記事に対するアクセスが定期的にあります。それも月1とか週1ではなくほぼ毎日のようにあるのです。おそらく検索されてのことだと思いますが、それだけ興味を持っている方が多いのでしょう。特に今年は教科書の改訂期にあたり新しく5ラウンドシステムが始まる学校もあるもあると思います。当時の記事は こちら

 さて、当時は川口市はまだ始まったばかりということで先行導入した熊谷市を例にとりました。いくら現場の人が、これは画期的なシステムだとか成果が期待できるといっても、客観的に判断するにはやはりテストの結果を見るしかありません。それも県単位や全国規模のテストです。それで当時は埼玉県で行われている学力検査の数値を使いました。

さらに3年分の数値を追加して見てみます。

春に実施されるため中1には英語がありません。よって中2と中3のデータです。埼玉県の平均と熊谷市の平均を並べてみました。(出典:埼玉県教育委員会)

平成28年に熊谷市の全中学でラウンドシステムが導入されました。よって成果が現れるのは翌29年からです。画像でいうと、黄色が導入前、青色が導入後の結果です。これを見て5ラウンドシステムの成果が出た!と思える人は10人中何人いるでしょうか。

続きまして川口市も見てみます。

 川口市で5ラウンドシステムが導入されたのは令和3年、よって翌4年からが比較対象となります。少なくとも点数で判断する限りこちらも際立った成果があるとは思えません。

 導入されるときは革命的なシステムのような宣伝文句でした。となると少なくとも県平均より+10点くらいは高い数値を期待してしまいます。ところがほぼ現状維持、厳密に言うと熊谷も川口も導入前より低くなっています。

 前回は様子見だったので書かなかった事実が一つあります。それはこの調査の県平均というのは県平均であって県平均ではないのです。何のことかと言いますと、実はこの調査には県で一番人口の多いさいたま市が参加していないのです。政令指定都市だから独自の調査をしているのでしょう。これが何を意味するのか、分かる方には分かると思います。

 何を隠そう、さいたま市は全国で1,2を争うほど英語の学力が高い自治体なのです。それは何度かニュースにもなっています。ちなみにある文科省の調査ではさいたま市は5年連続で中学生の英語力全国1位の自治体となっています。

 そのさいたま市が参加していない中での平均点です。ということは県内の人口比20%を占め、全国TOPの英語力を持つさいたま市が参加したら平均点が一気に上昇し、熊谷市も川口市もあっという間に平均以下になることは明らかです。おそらく2~3点はマイナスになると思います。なお、さいたま市では今も昔も5ラウンドシステムは採用しているという話は聞きません。

 以前にも書いたかと思いますが、私は5ラウンドシステム自体を否定しているのではありません。勉強のやり方にはいろいろな方法があっていいと思います。ただ、この方法では教科書の内容は暗記できても、中学生にとっての喫緊の課題である模擬テストや入試には成果が現れにくいということです。

 すでにご存じの方も多いように、5ラウンドシステムでは文法は後回しです。しかし中3の1,2学期の模試には当然中3の文法も出題されます。

 学校の先生も大変だと思います。横浜の中高一貫校でうまくいったからといって、普通の中学生が同じことをやってもうまくいくかどうかは分からないでしょう。

 5ラウンドシステムを最初に始めた横浜市立南高校付属中学は名前の通り中高一貫校です。横浜のことは詳しくないので、ちょっとネットで調べてみたら信頼できると思われる塾の偏差値では、同じ公立の中高一貫校であるさいたま市の市立浦和中より2くらい高めでした。これだけで埼玉県の人には結構高い数値であることはご理解いただけると思います。

 しかも中高一貫校ですから高校受験の心配もなく、そもそもの英語の学習時間も通常の公立より多い学校です。その比較的、どころかかなりの学力を持った生徒たちに行ってうまくいった授業と同じことを、とくに受験勉強の経験もなくアルファベットも書けるかどうか怪しい中学生に実施してはたして同じ成果が期待できるでしょうか。

 始まって数年たちますが、なぜかネットにはいい評判があふれています。それは宣伝のためのマスコミの記事や、関係者が発しているからです。もちろん実際に授業を行っている学校の先生が表立って批判することはできません。しかし塾に出入りしているいろいろな教材関連の営業の方に聞くと、あいかわらず5ラウンドシステムに関していい評判は聞きません。どこの塾でも苦労しているようです。おそらく学校の先生も苦労しているだろうと思います。

 そんななか、5ラウンドシステムについてなかなか興味深い記事を発見しました。長くなったので次回触れたいと思います。

中3まもなく締め切ります

 今日は木曜日で中3の授業の日でした。当塾は学年により曜日を決めています。
中1は火・金
中2は水・土
中3は月・木(2学期から土も)
 学年が変わるたびに曜日も変わります。新しい曜日になって中3は3回目の授業となりました。数学と社会はすでに中3の内容に入っています。英語はまたしてもラウンドシステムのため、しばらく様子見です。理科は教科書通りならイオンからで、いきなりの難関単元。昨年の中3理科は最初物理で(力とエネルギーと仕事)まあ簡単な内容でした。イオンは高校の知識が必要な部分もあり、中学生にはちょっと難しいところです。

 さて、この学年は中1から少しずつ新メンバーが増えており新中3になるタイミングでさらに一人加わったため、残る座席は1つとなりました。残席の周りは女子が占有しているため、入塾を希望する女子でしたら問題ないと思います。男子の場合は少し席を移動させるか、女子の隣でよければ問題ありません。いずれにしろここ数年夏休み以降の受付はしていないため、この学年(緑ジャージ)の受付は間もなく終了いたします。

 どこの塾でも同じだと思いますが、年によって塾生の移動が激しい年があれば穏やかな年もあります。去年の中3は、残念ながら退塾する生徒が例年より多い年となりました。一方今年の中3は退塾する生徒はほとんどいません。最初5年生の時4名で始まったこの学年ですが、少しずつ増えていまは満席寸前です。

頑張って小テストに取り組んでいるところです。画像左にギリギリ映っているでしょうか、テキストが山積みになって今は荷物置き場になっているところが残る席1つです。実際にはあと6個くらいは机も椅子もありますが、私が一人で見られる範囲というところで、定員を決めています。

第31回小テスト

一生懸命解いていた小テストです。裏面には英語もあります。画像は前回の小テストで中3の内容に入ってすぐの回です。したがって2列目と3列目が中3の内容で、1列目と4列目は中1、中2の内容です。このように小テストには習ったばかりの内容と、はるか昔1年以上前の内容を混在させています。小テストを通じて常に以前の内容の復習もできるようにしています。当然ですが、北辰にも入試にも中1、中2の内容は出題されます。そのあたりを意識しています。

理科の教科書

 今年は中学の教科書改訂にあたります。基本的に中学の教科書は同じ教科書を4年間使うことになっていて、4年ごとに教科書が変わります。変わると言っても今回はたいして変わりません。学習指導要領が大幅に変更になれば話題にもなりますが、今回は全くと言っていいほど変更はなく、ただ教科書が新しくなるだけです。

 公立の場合自治体ごとに教科書は決まっていて、埼玉県は25地区に分かれています。川口は第2地区にあたり、国語、英語、数学、社会は前年度と同じ教科書会社です。理科は諸事情により会社が変わりました。変わること自体はいいのですが、今年度から使うことになる東書は前年度までの大日本と、学習内容の順番が異なります。

 例えば中3の場合、履修順に
昨年は物理、生物、化学、地学 ですが
今年は化学、生物、物理、地学 の順です

 ちなみに隣のさいたま市が採用している啓林館という教科書では
今年は生物、地学、化学、物理の順です

去年と今年の順番が違うのはそこまで困ることはありませんが、教科書によって習う順番が違うのは各方面に多大なる影響があります。まず北辰テストですが、ある地域では習っているけど他の地域では習っていないとなると中3の内容が試験に出せないのです。実際北辰図書からもその旨発表されており、第4回までは中3の内容は出題されません。

あと困ると言えば塾でしょうか。うちのように戸塚中限定にしていれば問題はありませんが、東川口というのはちょうど市境で、駅周辺には川口市、さいたま市、草加市、越谷市の生徒が集まる塾も多くあると思います。この4つの市は地域区分も見事にバラバラつまり教科書もバラバラです。理科で言うと、川口、草加は同じですが、さいたま市は別の教科書、越谷市はさらに別の教科書です。先ほど書いたように教科書で習う順番が違うということは、集団指導の塾の場合そろえることも不可能です。市でクラスを分けるか、個別指導で対応するしかありません。

 塾を選ぶときにこういうことまで考慮する人はあまりいないと思いますが、実際のところ教科書はバラバラなので塾内でそろえるのは難しいのです。そういうこともあって当塾では戸塚中限定にしているわけです。教科書の内容が違うのは3年生だけではありません。1年も2年も同様です。したがって、対応が難しいため理科や社会は中1・中2では学習しない塾も多くあります。うちの塾生が理科、社会を得意教科にしているのは1年生からしっかり学習できるからです。

 同様のことが全国どの地域でも起こっているわけです。教科書会社同士で話し合ってせめて履修順を同じにするなどの措置を取ってくれたら、模試の会社も、いろいろな塾も対応が楽になるのですがいかがなものでしょうか。