今日教育委員会から2027年入試についての追加情報が発表されました。以前から内申の扱いや面接の全校実施については発表されていましたが、それよりももっと重大な事柄です。こういうのは何度も分けてではなくまとめて発表してほしいところです。
2027年度入試(現在の中学2年生)の県・公立高校入試は得点換算で9割がマークシートになるとのことです。残りの1割は記述式。これは数学の証明とかでしょうか。そもそも以前(40点満点の時代)は英語も社会も記号が多く、マークシートと同じような感じでしたがゆとり教育以降、学力向上をかかげて記述式の問題が年々増えてきました。
そこでマークシートです。一気に20年以上時代が戻った感じです。理由は採点業務の軽減や迅速かつ正確な採点を実現するためだそうです。毎年どこかの県で採点ミスが発生しているので、マークシートにすれば確かに採点ミスはなくせそうです。ただ採点業務の軽減を目的にするのなら、まっさきに思いつくのは面接の廃止でしょう。今現在普通科のほとんどの高校では面接を行っていません。数分の面接で分かることなどたかが知れているからです。その時間があれば採点に時間を回したいというのが高校の先生の本音だと思います。
ところが県の方針によって、2027年度入試からは全校で面接を実施することになりました。これも時代に逆行しています。理由は内申から消えてしまう部活などの得点を面接で補う形にしたからです。一度決めてしまった手前やっぱり面接は廃止しますと言えないでしょうから、負担軽減のためにマークシートに変更になったのでしょう。
以前(2000年代から2010年代前半)の埼玉県の公立高校入試はかなり迷走している時期がありました。一度決めても2~3年でコロコロ仕組みを変えていた時期もありました。ここ数年は比較的落ち着いていましたが、2027年でコペルニクス的転回ともいえる変更で一気にいろいろなことが変わります。
これにともない国語の作文も消えるそうです。あとマスコミ報道では書かれていませんが、教育委員会のホームページを見る限り、マークシート方式で選択問題も作成するようです。
ということで来年度の入試は今年とほぼ変わりはありませんが、現中2が受ける2027年度入試では実に様々なことが変更になります。あまりにも多すぎて細かいことは割愛しますが、大きく変わる点でいうと
学力検査の9割がマークシートになる。
調査書から部活や生徒会、検定の評価が消える。
全校で面接が実施される 。
国語の入試から作文が消える。
といったところでしょうか。選択問題実施校については従来同様、英語と数学において難易度の高い問題をマークシート形式で出題されるようです。
受験者数の多い私立高校では以前からマークシート方式だったので、そこまで違和感はないと思います。むしろ生徒からしたら記述が減り、作文がなくなるということで歓迎しているかもしれません。ただその分確実に平均点は高くなるでしょう。つまりミスは許されないということです。特に難関校では1問のミスが命取りになってしまいます。
数学に関しては、答えを選択肢から選ぶ形式と、答えの数字を直接マークする形式と併用になると思います。